行動経済学、行動社会主義、行動心理学、認知行動療法、行動分析学、などなど、「行動」という言葉がつく学問がすごく増えていますよね。研究者は昔からいても(1912年から?)10年前ぐらいからちらほら一般に聞き始めたような気がしている。20年前にはそんなテーマの岩波新書はあったんだろうか?30年前は完璧になかったと思っているが定かではない。
さて、そんなことはさておきです。
↑有名な図ですよね。
↑強化と弱化
難しい説明はここでは省きます。
「コーチング」とか、子どもに「ABAで教える」であるとか、習慣化やセルフマネジメントなどなど、行動変容を求めるときに根底にある法則に近いものです。理論は数多の他の方々が説明してくださっていると思うので、おいといて、ダイエットするにあたってどうしたか書いていきたいと思います。
難し~い
1 現状把握 体重を測る。健康診断を受ける。
2 目標設定 体重を減らす
3 やりたくないこと 体重計に乗る
4 うれしいこと 体重が減る
5 嫌なこと 体重が増える。変わらない。
現状把握をするために、体重を測る。
毎日、体重計に乗る
体重計に乗るのが嫌だ。
なんでそんなこともできないんだろう。
A:先行条件
現状把握のために体重計にのる。やせたい。
B:行動
体重を測る
C:結果条件
増えていた
嫌子の出現:体重が増える。悪い知らせを教える体重計が嫌いになる。
体重計にのりたくない。自己嫌悪。
減っていた
好子の出現:体重が減る
体重計にのっても平気。うれしい。
体重が増えていた
体重計の前を素通り
先行条件が嫌子。体重計の前を素通り…。回避?逃避?
体重計にのることを褒められる
体重計にのった。
褒められることが強化子になる。体重を測ろうと思う。何回ものれた。
体重が減っていた。
体重計にまたのった。
体重が減って好子が出現。体重を測ろうと思う。何回ものれた。
体重計にのる前に鏡を見た。デブだった。
なかなか体重が減らない。のる気が失せる。
体重が増えるか現状維持は正の弱化。体重を測りたくなくなる。
体重計の近くの鏡をしまう。
姿見の鏡が嫌子で負の強化をしていた。取り去ることで嫌なことを回避。また体重を測れた。
何となく頭の片隅に置いておいたら、役に立つチャートです。
なんで体重計にのることすら嫌なのか、掘り下げてみました。
ここで考えるのは気持ちじゃなくでなんで行動が起こらないのか?です。
・体重が減っていない。
減ればうれしいんです。どんな形であれ減ればうれしいんです。
なので、If then ルールで、トイレの前後に体重を測るということをやった。
・ダイエットが3日坊主におわってしまう自分に嫌気。
If then ルールを使うことと、誰かに腐さされたくないので周りにダイエット宣言しない。
誰かが応援してくれる環境がいちばんいい(言語賞賛はご褒美になる。好子になる。)
・体重を気にしすぎて自意識過剰気味になる。
わかりますよ。その気持ち。言われることも多いので、プライミング効果ということもあります。知らないうちに自己肯定感が下がっているのかもしれません。私は鏡をみるのも、写真を撮られるのも嫌だったなあ。誰かに責められているような、見られているような気になるんですよね。どうせ私は太ってるし、やせるわけないし、なんて、自虐的発言が増えていくんですよね。
ある日、私は悟って、そんなの太ってるのは見たらわかるし、一番気にしているのは自分だけで、わざわざ言ってくる人なんてほぼいない。家族ぐらいかな。見た目のことをどうこう言ってくる人なんてろくなもんじゃないですよ。誰かに褒められながらダイエットできたら楽しいのに。
思考の癖付けというか、これらの知識をぼんやりと覚えていて、ターゲットにする行動の前後の一連の行動をプロセスに分けて考えるというのをやっていると、原因が分かってくる。なぜ自分ができないのか?「ああ、鏡で自分の姿をみるのが嫌だったんだ。」(←鏡をなくす)とか「少しでも、なんであれ、体重が減ればうれしいんだ。」(←水分が抜けただけなのに)とか。行動分析の学問を習ったわけではないので、このABC分析は厳密には違うかもしれないです。でも理論よりも実践が大事ですので紹介しました。一歩踏み出せないダイエット迷子になっている方に参考にしていただけたらなと思います。
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